2017年8月27日(日)

第10回「放射線を正しく理解しよう!」開催報告

話し手:尾上昌平(鹿児島大学アイソトープ実験施設)

参加者:15名

開催場所:Corda espresso/bar

 8月27日に第10回サイエンスカフェかごしま「放射線を正しく理解しよう!」を開催しました。霧箱を使って放射線を見る実験を踏まえながら、鹿児島大学の尾上昌平さんにお話ししてもらいました。

 放射線は、原子力発電所や病院のレントゲンなど、特定の場所でしか発生しないと思われがちですが、実は、自然放射線と呼ばれるものが空気中や土壌中、食べ物などありとあらゆる場所から発生しているそうです。放射線は、DNAを損傷するため大量に浴びるとガンになったり、色々な傷害を引き起こしますが、100 mSV以下の線量では、がんの発生率に対して統計的に有意な影響はないそうです。一方で、医療現場や農作物の品種改良には放射線が欠かせないものとなっており、放射線はただ危険なだけでなく有用な面もあるそうです。

 霧箱を使って放射線を見る実験では、霧の中をスッと走る放射線を観察することができました。最初はランタンのマントルから出る放射線を見てましたが、それを外しても放射線を見られ、自然放射線というものが本当にあることがわかりました。

放射線は確かに危険なものですが、一方で医療現場などでは欠かせないものとなっています。過度に恐れて、ストレスを感じる方が体にはよくないので、信頼できる情報を吟味し、自分で考え正しく理解することが大切だと思いました。

マントルの出す放射線を霧箱で観察しました。

霧箱の実験、スッと走る白い線が放射線です。

ウラン鉱石にブラックライトを当てて、それが放出する蛍光を観察しました。