3月9日、道の駅たるみず湯っ足り館において、「第20回サイエンスカフェかごしまinたるみず」を開催しました。今回は、「鹿児島の味噌のひみつ」と題して、農学部の二神泰基准教授と、ほたる醸造の小城章裕さんが話題を提供し、一般の参加者を含む22名が参加しました。
これまでは鹿児島市内のカフェで開催してきましたが、今回は市内を飛び出し桜島ふもとまで足を伸ばしました。会場となった道の駅の目の前には錦江湾が拡がり、開始時間前には15頭ほどのイルカの群れが悠々と泳ぐ姿を目撃することもできました!
私たちが毎日口にしている味噌、この味噌がどのように作られているのかを、実際に自分で仕込みながら理解するのが今回の目的でした。小城さんの説明に従って、まずは大豆を圧力鍋に入れて指で簡単につぶれるほど柔らかくなるまで煮るところからはじめました。茹でた大豆を冷ましてから手でしっかりつぶしてペースト状にした後、麹と塩を混ぜ込み味噌のもとを作りました。これを袋に入れて各自持ち帰っていただきました。あとは好みに合わせて自宅で熟成させれば完成です。この段階でもなかなか美味しかったので、2,3か月熟成させた後の味わいが今から楽しみです!
作業の待ち時間には、二神先生より味噌ができる過程には麹菌と酵母菌が関わっており、どちらもとても大切であることが説明され、それを実際に顕微鏡で観察することもできました。同じ微生物でもこんなに違うんだねと、皆さん驚いていました!
最後におやつを食べながらみんなでクイズを行い、味噌に関する知識を深めました。味噌は1300年ほど前の飛鳥・奈良時代から既に日本人の間で食べられていたことや、日本の味噌は豆味噌、米味噌、麦味噌、合わせ味噌の4種類に分類されること、また白みそと赤みその違いは熟成期間の差であること、更には味噌をとことんまで熟成させると醤油になる!などなど、すぐにでもみんなに教えたくなる豆知識がたくさん得られました。一方、現代の日本人の味噌の消費量は戦前に比べて半減しており、一人当たり年間2kg程度にとどまっているという少し残念なお話も聞きました。
味噌作りからクイズまで予定の2時間はあっというまに経過し、参加者はまだまだ質問したりないといった様子でしたが、スタッフを含め参加者それぞれが「味噌」の奥深さに触れる良い機会となりました。